LIFE くらす

荒井良二 special interview

mamaid presents

掲載号: mamaid 2019年1月20日号

「みちのおくの芸術祭山形ビエンナーレ2018」が昨年9月に開催されました。
期間中、山形県郷土館・文翔館を会場に『荒井良二さんに聞いてみよう!』と題して、mamaid編集室と、読者ママと子どもたちで、絵本作家の荒井良二さんにいろんなことを聞いてきました。

▶︎芸術祭のテーマは「山のような」ですが、今回出版された『山のヨーナ』という絵本について教えてください。

▶︎山に住むヨーナという女の子がいろんな話を聞いて、お礼に自分がつくる人形“のような”ものをあげるという話。情報をもので交換するという話を作りたかった。ワークショップのような絵本にしたくなって、カラーとモノクロの2冊組みになりました。モノクロのほうは、“ヨーナはこんな人だ”と決めつけないで女の子だったり、おばあさんだったりのデッサンも入っていて、どれが“ヨーナ”なんだって全然わからない、ワークショップのような本です。僕はよく“〜のような”ものを作るワークショップをしているんだけど、例えば子どもたちと絵を描くときも「山の絵を描こう」って言うと、だいたい緑で三角形になっちゃう。けど「山のようなものを描こう」にすると、なんかまん丸い球体のものとか、色も様々に描いてくれて、人それぞれ違うのが楽しい。そんな芸術祭と絵本にしたかったんです。

▶︎イベントが始まったときにはまだ出版されてないところが面白いですね。

▶︎この山形ビエンナーレの会場のひとつである文翔館やいろんなところで、「山のような」ってなんのことだろうって感じてほしくて。ビエンナーレに参加しなくても、それが全部この絵本につまっていると思われると、なんか違うなっていうふうに思ったから。子どもたちと街を歩いてほしかったんです。

▶︎荒井良二さんをもとから好きだったというママ、子どもが生まれてから手に取ったママさんもいます。
『大人でも絵本が好きでいいんだよ』というのが荒井良二作品という印象ですが、子ども向けとか大人向けと考えているのですか?

▶︎考えてないですよ(笑)。僕は大学一年生の時に絵本をすごく好きになったから、大人になってから絵本を読みはじめた人なの。だからここにいるこの子たちみたいにたくさん絵本に触れてない。僕の作品は「わからない」とか「子どもには難しい」と言われることが多い。絵本体験のある人と距離があるから、僕は異質なものになるんじゃないかって。でも、ママが手に取らないと子どもにも読んでもらえないから、子ども向けでも大人向けでも、どっちでもいいんです。

▶︎参加されたママからも多かった質問ですが、荒井良二さんはどんな子どもでしたか? 小さい頃から絵が描くのが好きでしたか?

▶︎好きとか嫌いとかわからないうちにもう描いてた。チラシを裏から逆さの文字を写したり、お兄ちゃんの余ったノートを貰ってまで。人とコミュニケーション取るのが苦手だったんだけど、絵を描いていると安心するタイプの子だった。子どもって、ものすごくいっぱい伝えたいことってあるんだけど、言葉にできないことが多い気がする。必ずしもみんなハキハキしなくたって、僕は大丈夫だと思うんだ。子どもは“感覚の塊”だから、いろんなものを選んでいる状態だろうし。だから絵を描くことはとても便利で、何もこっちが情報として伝えなくても、大人が「絵うまいね」って言って向こうから寄ってきてくれるの。コミュニケーションの道具としてとても役に立ったから、どんどん描きましたね。そうすると「これ誰?」「上手いね」というふうに大人にほめられて、とってもうれしかったです。絵に限らず、子どもの好きなものを見つけてあげるのは大事なんじゃないかな。

 

荒井良二さんに聞いてみよう! 一問一答

Q.1 子どもの頃、好きだった授業は?
A. 図工の時間、体育、国語。この三本柱でしたね。

Q.2 運動は好きな子どもでしたか?
A. 好きとか嫌いとか言う前に走ってた。僕は山形市の滝山小学校だったんだけど、校庭のすぐそばに僕の家が建ってて、庭みたいに走ってました。

Q.3 ご両親や親戚、イラストや絵の先生など影響を受けた人はいますか?
A. そうではないけど、お父さんの実家っていうのが陶器を作っていた。平清水で先祖が窯を開いた人なんですよ。窯の中にいくのが、神聖な空気が流れているような気がして。すごく好きでした。大好きだったの、すごく。

Q.5 荒井さんの絵本は黄色が印象的ですが、なぜ黄色なのですか?
A. 考える前に黄色塗っちゃってる(笑)。子どもの頃見た風景だと思うんだけど、「東北の人なのにカラフルだね」って言われます。

Q.6 子どもたちから学ぶことってどんなことですか?
A. 大人は設計図を書いたら失敗しないように何かを描くけど、子どものどんどんどんどんアイディアを変換していくところ。僕の絵本の下書きも線を見るとわかります(笑)。

Q.7 僕は大きくなったら恐竜博士か映画監督になりたいです。恐竜の絵をかっこよく描くにはどうしたら良いですか? (参加者:みなとくんより質問)
A. 恐竜みたいにスケール大きいものを小さく描くって難しいよね。恐竜と同じ大きさで描くのに挑戦してみて。将来は恐竜を描くっていう映画を作ってほしいな。その時は助監督で呼んでね(笑)。

Q.8 東京に住んでみて、山形の印象は変わりましたか?
A. いっぱいある! 空気とか水、野菜がおいしいとか当たり前になってると思うけど、山形ってなんでもレベルが高い。離れてみて余計そう思う。レベル高い食生活とか暮らしぶりというのがうらやましいです。子どもがのびのび育てる環境です。いっぱいある! 空気とか水、野菜がおいしいとか当たり前になってると思うけど、山形ってなんでもレベルが高い。離れてみて余計そう思う。レベル高い食生活とか暮らしぶりというのがうらやましいです。子どもがのびのび育てる環境です。

Q.9 荒井良二さんのご両親はどんな人でしたか?
A. お父さんって、僕を呼び捨てにしたことが一度もなくて、「良二くん」だったんですよ。何やってもお父さんには全然叱られない。その代わりお母さんは叱りますよ。お父さんとバランスとってたとは思う。単身赴任だったの、ずっと。ただただ温厚な人だったと思います。

 
最後にmamaidの読者にメッセージをお願いします。

子育ては、よそと比べたりしないで、無理しないでマイペースで大丈夫。お母さんは叱ったりする役ばかりで大変だと思うけど、そのまんまのあなたで頑張りすぎないでほしい。よくお母さんたちに「読み聞かせするのにどんな本がいいですか?」と聞かれることがあるけど、百科事典でも、漫画でもなんでもいいんだよって言ってます。子どもが理解しているとか、全然ウケも何もしないとか、そういうのはごちゃまぜにして“この子を喜ばせたい”と言う気持ちが大切なんだと思います。だって子どもにウケる絵本って、だいたいパンツとかトイレとか、そういう絵本になっちゃうよね(笑)。
子どもたちが成長して、2年後のビエンナーレでまた会いましょう。

Special thanks/mamaid読者ママと子どもたち

協力:プログラムディレクター宮本武典先生
   東北芸術工科大学・山形ビエンナーレ事務局

 

event report

山形ビエンナーレは東北芸術工科大学の主催で、2年に一度行われる現代アートフェスティバル。山形県郷土館「文翔館」をメイン会場として、2018年は9月の週末 日間に渡って、多彩なプログラムが展開されました。荒井良二芸術監督のもと、新しい山形の物語をつくるイベント。“子どもが多く来場する芸術祭”として注目されています。次のビエンナーレも楽しみ♡

作品の展示だけでなく、トークショーや交流会、ライブ、映画鑑賞会、ライブペインティング、スタンプラリーなどイベント盛りだくさんだったよ。

写真:志鎌康平


最新の情報とは異なる場合がありますので、ご確認の上、お出かけ下さい。

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