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創業100年を控える
観光客にも人気のパン屋

木村家本店 キムラヤホンテン

掲載号:ZERO☆23 2019月2月27日号

ロールパンは、外側が白くなるように巻いていきます。仕上げに上面にチョコレートを塗った後にカット。「手間がかかっていて、大手では真似ができない製法だと思う」と深澤さん。パンを冷ましてから巻くため、冬でも工場内には扇風機が稼働していました。

店舗に並ぶパンは多くなく、ほとんどが市内のスーパーや高校の売店に並びます。ショーケースの中には、アップルパイも。しっかりと焼かれたアップルパイで、香ばしい香りが口の中に広がります。イートインもあり、コーヒーのオーダーも可能です。

ロールパン 140円
昭和20年代から販売しているという、木村家本店の代名詞ともいえる人気商品。春は桜、夏はじんだんなど、季節限定味もあり。

電車で首都圏から運ばれてきたお菓子を長井駅前の店舗で販売していたことからお店が始まったという木村家本店。それが大正末期の1920年のことで、2020年に創業100年を迎えます。パンの製造と販売を始めたのは、銀座に店を構える創業150年の老舗・木村屋総本店の流れを汲む米沢市のパン屋で、当時の店主が修行したことがきっかけ。昭和前期には、パン屋としての営業を開始していたと言います。現在は、パン商品のみですが、以前は和菓子や洋菓子も製造・販売していました。

4代目となる専務の深澤賢一さんは、東京のパン屋で修行した後、長井に戻り木村家本店で働き始めました。現在は製造から販売まで携わっています。「先代らが、何十年と続けてきた店ですので、残し続けないといけない」と深澤さん。木村家本店のパンは、地元のスーパーや学校、病院などさまざまな場所で購入でき、最近では、2017年にオープンした道の駅「川のみなと長井」でも販売。観光客や帰省客がお土産に購入していくそうです。

看板商品は、昭和20年代から愛されているロールパン。平均で一日200個、多い時には一日300個をつくるそうです。「一時期、ロールパンの中のクリームを変えたことがありますが、不評で前の味に戻したんです。昔から親しまれているパンを守り続けて、地元はもちろん、市外や県外、たくさんの方に食べていただくことが大切だと思っています」と深澤さんは話します。長年親しまれ続けた長井市民の味の原風景は、4代目に受け継がれ、さらに大勢の人に愛されていくのです。

住所〒993-0084 長井市栄町7-40
電話番号0238882280
営業時間9:00〜18:00
定休日土・日曜、祝日
駐車場

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