SPECIAL 特集

お兄ちゃんやお姉ちゃんになった上の子の子育てを中心に、
きょうだい子育てならではの悩みを語り合ってもらいました。

上の子の子育て座談会

掲載号:mamaid 2020年1月20日号

当日ご参加いただいたみなさん

原田結子さん
絢太郎くん

山形市在住。5歳、1歳の男の子のママ。

小野里章子さん
依茉ちゃん

山形市在住。5歳の男の子、7ヶ月の女の子のママ。

吉田智恵子さん
大致くん

山形市在住。5歳の男の子、3歳の女の子、2歳の男の子のママ。

座談会トークスタート!

司会 まずは、簡単な自己紹介からお願いします。

原田 ちょっぴり甘えん坊な年中の男の子と、12月に1歳になったばかりの男の子がいます。弟は歩き始めるのが早かったので、毎日、目が離せないです。

吉田 わが家は年子で、5歳の男の子と3歳の女の子、それから下に2歳の男の子がいます。最近3人で仲よく過ごしてくれますが、それぞれに個性があるので色々と大変です。

小野里 どちらかというとクールなタイプの5歳の男の子と、7カ月の女の子がいます。お兄ちゃんは妹が大好きなので、よく面倒をみてもらっています。

2人目の妊娠がわかったときの、正直な気持ち

司会 2人目の妊娠がわかったときは、どう思いましたか?

原田 4つ離れることになるし、少しはラクかなと想像していました。実際は、全然違いましたけど(笑)。すごく甘えん坊なので、つわりが落ち着いてからは2人で過ごす時間を意識して作っていました

吉田 1歳3カ月の時に妊娠がわかったので、正直びっくりでした。まだ手のかかる時期で、とにかく動きたくて仕方ないタイプだったので、毎日外へ出かけるようにしていました。つわりで辛かったけど、使命感で乗り切った感じです。

小野里 私はなかなか2人目ができなくて、新しい仕事を始めた直後に妊娠が発覚。だから、嬉しさよりも「職場に迷惑がかかるかも」という思いが先でしたね。落ち着いてからは、今しかできないと思って、少し遠い所へ旅行にでかけました。

きょうだいを育ててみて感じたホンネ

司会 きょうだい子育てがはじまって、想像していたのと違う!と感じたことは?

原田 赤ちゃんにあまり興味を示してくれなかったことかな。それよりも、大好きなママを取った!と弟をライバル視することが多かったですね。1年経って、やっと気持ちも落ち着いてきたけど、こんなに時間がかかるとは…。

吉田 最初は1歳10カ月でお兄ちゃんになったので、訳が分からないという感じでした。ただ、3人目が産まれた時は、手がつけられないくらい不安定な状態が続いて、赤ちゃんのお世話よりも大変でしたね。真ん中の女の子は、赤ちゃん返りもなく、とにかく弟のお世話をしたくて仕方ないタイプ。男女によってここまで違うの? と驚きました。

小野里 お兄ちゃんは、とにかく妹のことが大好きで、「抱っこしてあげる」とけっこうベタベタしています。普段は割とクールなので、このギャップにびっくりしました。ただ、赤ちゃん返りがなかった分、我慢してないのかと心配になります。

きょうだい子育て、これが知りたい!

司会 いま、一番困っていることはなんですか?

原田 「待って」と言ってしまうことがどうしても多くなってしまうことかな。できることも増えてきたから、「1人でできるでしょ」と構ってあげられないときも…。寂しい思いをさせていると思うけど、どうしたらいいのかジレンマだらけです。

吉田 わが家は、一番下の子が上の子と同じことをしたがるので、お風呂や寝る時も3人で済ませることが増えています。1対1で関わる時間がないので、寂しい思いをさせているなと思いつつも、なかなかできないですね。

小野里 今は、寝かしつけの時かな。お兄ちゃんも横でトントンとして欲しいみたいなんだけど、どうしても下の子のお世話が優先になるので、口で「トントン」と言うのが精いっぱい(笑)。それに、頼りになる分、いろいろお願いすることも増えて、「なんでできないの?」と強く言ってしまうこともあって、反省しちゃいます。

きょうだい子育てのコツ

「上の子が淋しい思いをしていないのか心配」というのが、3人の共通のお悩み。
そこで、米沢市でマザー&ベビーケアサロン「ままのて」を営む助産師の鈴木美恵先生に、きょうだい子育てのコツをお聞きしました。

Q「上の子ファースト」と分かってはいても、待たせることが多くなってしまいます。どうやったら上手く伝えることができますか?

A「待って」を工夫して伝えよう

年齢も性別も違う子どもを育てるママにとって、「待って」欲しい場面があるのは当たり前ですよね。ただし、「待って」とだけ伝えても、何を待っていいのか、ママの本当の思いは子どもには伝わりにくいもの。男の子と女の子の脳の違いを知って、お兄ちゃん、お姉ちゃんへの「待って」の伝え方を工夫してみましょう。

Q「お兄ちゃんだから」と強めに叱ったり我慢させてしまった時、どういう風に関わってあげたらいいですか?

A「愛」を言葉にしよう

「お兄ちゃん」「お姉ちゃん」になると、子どもなりに頑張ろうとします。兄弟・姉妹の中で、様々な経験を積んで成長していくのです。大切なのは、「ありがとう」や「助かるよ」「大好き」という子どもへの愛を、言葉で伝えてあげること。そして、時にはママの方から、「一緒にいることができなくて寂しい」「本当は一緒に眠りたいな」と素直な気持ちを伝えてみましょう。叱ることがあっても大丈夫。その次は、温かく肯定的な言葉をかけてあげる。この繰り返しが大切ですよ。

Q「おとうと(いもうと)なんていらなかった!」と言われてしまいました。どう答えてあげたらいいですか?

A隠れた気持ちを聞いてみよう

こんな風に言われたらママもショックですよね。自分の気持ちを表すボキャブラリーが少ない子どもにとって、精一杯の表現だったのかもしれません。まずは、「そう思っていたんだね」と気持ちに共感してあげましょう。言葉の裏には、「ママを取られた」「寂しい」という気持ちが隠れています。少し成長した時に、その時のことを一緒に振り返ってみると、また違った本音を聞くことができると思いますよ。

最後に、きょうだい子育てmamaへ鈴木先生からメッセージ
「子育てがうまくできない」と自分を責めてしまうときはありませんか? そんな時は少し立ち止まって、子育ての「こうあるべき」「~しなくちゃいけない」という思いから、一度気持ちを離してみましょう。自分が考える子育ての普通や常識は、育った環境に左右された考え方の一つなので、実は人それぞれでOK。ママ自身が、どんな環境で育ってきたのかを振り返ってみると、今の子育てがラクになるきっかけになりますよ。子どもは、親やきょうだいを選んで生まれ、生きています。そして、子どもは子ども自身で経験して歩んでいます。きょうだいとして育つ子どもたちの力を信じて、見守っていきましょうね。

最新の情報とは異なる場合がありますので、ご確認の上、お出かけ下さい。

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