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大自然に癒されながら味わう、自家栽培の夏の新そば

そば処三百坊|夏の新そばを求めて

掲載号:ZERO★23 2024年7月27日号

夏の暑い日に、 冷たいそばを楽しむ贅沢。
山形の西蔵王では、夏にも新そばが収穫されます。
旬の風味を味わうため、自家栽培のそばを提供する店へ。
涼を感じながら、新そばの魅力に浸ってみて。


高原に広がる真っ白な絨毯。7月と9月には可憐な白い花が一面に咲き誇り、青空とのコントラストが見る人を癒してくれます。

新そばの季節と言えば秋が一般的ですが、夏に収穫される新そばもあります。

 同じ新そばでも季節によって味の個性はそれぞれ。成熟したそばの実の深い味わいが特徴の秋そばに対し、太陽の光をたっぷり浴びて育った夏そばは、ほのかな葉の香りと爽やかな味わいが楽しめます。そばは播種から収穫までの栽培期間が短いことから二期作が可能。山里では古くから夏そばが栽培されてきました。しかし、梅雨の時期という気象条件や、夏そばの収穫と秋そばの種撒きがほぼ重なってしまうという作業面の負担から、そば王国と称される山形県でも夏そばを栽培している農家は限られています。


坊板そば 2,100円(並盛)
自家栽培、自家製粉で仕上げた外一そば。コシがあり、喉ごし抜群。小盛、並盛、大盛から選べ、小盛でも十分満足できる量です。

この「夏の新そば」を味わえるのが、山形市西蔵王にある「そば処 三百坊」。

 創業した35年前から自家栽培を行っています。訪れたこの日は夏の収穫を2週間後に控え、身の丈ほどに成長したそばの花が満開に。広大なそば畑は白一色に染まっていました。標高600mの西蔵王は朝夕の寒暖差が大きく、水はけのよい土壌はそば栽培に最適な場所。朝と夜に降りる露も成長を促します。作付けしているのは冷涼地の栽培に適した「北早生(キタワセ)」という品種。

 「地域の農家のみなさんに助けてもらいながら栽培しています」と話すのは2代目の岡崎昌平さん。刈り取ったそばの実は2~3日かけて乾燥させ、製粉は石臼で。実の状態にあわせて挽き方、ふるい方までを都度変えていきます。こうして打ち上げたそばは中細の外一。一切手を抜かない、そば職人としての気概が伝わってきます。

 「そば以上にこだわっている」という“つゆ”は1年かけて醸造する再仕込み醤油をかえしに、選び抜いた材料で旨みを引き出したダシを加えたもの。そばにしっかりと味が絡みます。 自然に囲まれ、古民家で楽しむ夏の新そば。贅沢なひとときを味わってみては。

ぷるぷる食感の自家製「わらびもち」(600 円)。ゴマと黒糖のわらびもちに黒豆きな粉をまぶした、ここでしか食べられないひと品。

そば処三百坊
住/山形市土坂荒屋敷453-2
電/023-633-3092
営/11:00~14:00 ※なくなり次第終了
休/無休
駐/有


最新の情報とは異なる場合がありますので、ご確認の上、お出かけ下さい。

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