TRIP でかける

子どもだけじゃもったいない!

みんなで楽しむ tupera tupera ワールド

掲載号:mamaid 2019年7月20日号

「パンダ銭湯」「しろくまのパンツ」など多くのヒット作を持つ、2人組アーティストユニットtuperatupera。
その絵本の原画など約300点を集めた展覧会「ぼくとわたしとみんなのtuperatupera絵本の世界展」が、天童市美術館で開かれました。
展覧会に合わせて天童市を訪れた2人に、展覧会に込めた思いや、見どころを伺いました。

PROFILE

tupera tupera(ツペラツペラ)
亀山達矢さん、中川敦子さんの2人組ユニット。絵本やイラストをはじめ、工作、ワークショップ、舞台美術など様々な分野で幅広く活動している。
NHK Eテレ「ノージーのひらめき工房」のアートディレクションも担当している。

 

美術館全体をジャック

天童ならではの仕掛けも美術館に足を踏み入れると、展示室以外もtupera tuperaの作品があちこちに散りばめられていることに気づきます。トイレの案内表示や、給水機などに可愛いキャラクターが。美術館全体がtupera tuperaにジャックされているかのよう。
2人の展覧会は、全国8カ所を巡回しており、東北では天童市が唯一の開催です。「せっかく作品を飾ってもらえるのだから、自分たちの納得いく形にしたい」と、作品の搬入から立ち合い、会場づくりをした亀山さんと中川さん。「その場所ならではの”何か”をやりたい」と、館内のさまざまな場所にオリジナルの仕掛けを施しました。山形スペシャルとして、2010年出版の「くだものさん」のキャラクター、さくらんぼさんが館内に隠れていますよ。探してみてくださいね。

 

原画から心を動かす何かを感じて

展示室には、二人のデビュー作「木がずらり」(2004年出版)から近年の作品まで、原案のラフや制作過程などの貴重な資料、作品の原画が並びます。tupera tuperaの作品は、紙や布を切って貼り合わせる「コラージュ」という技法が多く用いられています。亀山さんは「切り絵の凹凸や質感など、原画でないと感じられないもの、絵本との違いを見てほしい」そう。「原画を見た子どもたちの中には、早く帰って絵を描きたい! と言ってくれる子もいます。そんな風に心を動かす何かを感じ取ってもらえたら」。
絵本作りには、多くの人が関わっていることを知ってほしいと言う中川さん。「作品には、私たち2人だけでなく、編集者や装丁、製本の担当者などたくさんの人の熱い思いが詰まっている。それを感じてもらって、内容にわっはっはって笑ってもらえたら嬉しいかな」と笑顔で話してくれました。

 

原画を見たら、パンダ銭湯でひとっ風呂!


美術館の一番奥には、人気作品「パンダ銭湯」の世界が再現された部屋が作られています。暖簾をくぐり、パンダたちが黒い服を脱いだ脱衣所を抜けると、リラックスするパンダたちと一緒に湯船につかることができるのです。「じっくり作品を見たら、ひとっ風呂浴びて帰ってね!」と茶目っ気たっぷり。「いつもはパンダしか入れないけど、展覧会の間は特別に人間も入れますからね。絵本の世界をたっぷり楽しんでください」と話してくれました。

 

大人にこそ本気で楽しんでほしい

展覧会には、たくさんの大人にも訪れてほしいと言います。「僕たちの作品は、子ども向けじゃないんです」と亀山さん。「子どもって、転がってる石でだって遊べるし笑えるでしょ。絵本読むだけで面白がってくれる。そんな子どもを楽しませるには、大人が本気で楽しまなきゃ伝わらないんじゃないかな」と思いを語り、「子どもが好きな絵本をどうやって作っているか、原画にじっくり向き合って、大人こそ本気で楽しんでほしい」と思いを語ってくれました。

 

イベントリポート

展覧会の関連イベントとして、作家本人が絵本の読み聞かせをするイベント「tupera tuperaの絵本ライブ」が開かれました。その様子をリポートします!

会場には、抽選で選ばれた約100人の親子連れが集まりました。亀山さんが天童市に滞在中に制作した、将棋の駒をモチーフにしたキャラクター「玉っくん」が飾られ、天童らしさも満点!!
亀山さんと中川さんが登場すると大きな拍手が。計11作品を、亀山さんは情感たっぷりに、中川さんは時にリズムに合わせながらコミカルに披露しました。
ライブは、「やさいさん」の読み聞かせからスタート。亀山さんが「大人も子どもも、大きな声を出してくださいね~」と呼びかけると、野菜を収穫するシーンで会場全体で「すっぽーん!」と大きな掛け声が。次に出てくる野菜を子どもたちが次々に当てると「よく読んでくれてるね~」と嬉しそうなお二人でした。

参加者の声
冨樫数馬さん 理恵さん(東根市)
咲釉ちゃん(5) 穂乃ちゃん(2)

いろいろな作品を読んでくれただけでなく、2人のものづくりに対する思いや舞台裏のお話が聞けて、すごくよかったです。
コラージュ以外のさまざまな技法を使っているなど、新しい表現のことも知ることができました。これからの作品もとても楽しみです。

長岡和香子さん(酒田市)
蒼依ちゃん(6) 橙慎くん(4)

ライブはスピード感があって楽しかったです。
もともと大好きなお2人と一緒に、作品の世界を楽しめて最高でした。

作品の制作秘話も
丸い形が特徴の作品「あかちゃん」では、赤ちゃんの丸くて柔らかいイメージを、丸くくりぬいた本の形で表現したそうです。「パステルの粉を化粧用のパフにつけて描きました。丸い本をどうやって作っているかは、展覧会の会場で映像で紹介しているので注目して見てください」と絵本ができる過程についても明かしてくれました。
最後に、人気作「パンダ銭湯」を披露。パンダに扮した美術館館長も参加して、サングラスを取って湯船に入る様子を熱く演じました。会場全体で「パンダ銭湯の歌」を歌いながら、大盛り上がりのエンディングでした。 

 


最新の情報とは異なる場合がありますので、ご確認の上、お出かけ下さい。

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