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焦らず向き合う子どものおねしょ

けんこうnavi

掲載号:mamaid 2020年9月15日号

どんなに忙しくても自分のカラダについて、そして家族の健康に関心を持っておくのは大切です。
このページは医療や健康に関することをその道の専門家にわかりやすく教えてもらうコーナー。
女性として、母として知っておきたい基礎知識をおさえておきましょう。

 

TOPIC1 おねしょと夜尿症、どう違うの?

おむつが外れる2~3歳頃になると気になるおねしょ。子どもは、生まれて2歳頃までは毎晩おねしょをするものですが、年齢と共にその頻度は減っていきます。つまり、幼児期のおねしょは自然なことですので、特に心配はいりません。
ただし、5歳以降で月に1回以上のおねしょが3ヶ月以上続く場合は夜尿症と定義され、年長児で15%、小学1~2年生で10%、小学5~6年生で5%にみられます。基本的には自然と治っていく例が多いのですが、医療機関で適切な診断や治療を受けることで2~3倍治癒率が高くなることが知られています。まずは小学校就学後におねしょが続いている場合には、1度お近くの泌尿器科や小児科へご相談ください。

 

TOPIC2 どうしておねしょをするの?

おねしょは、夜間に作られるおしっこの量や、おしっこを溜める膀胱の大きさが原因となり引き起こされます(男女差はないが、個人差はある)。また、人の体は成長過程で睡眠リズムが一定となり、同時に抗利尿ホルモンというおしっこの生成を抑えるホルモンが作られるのですが、このホルモンの分泌が少ない場合におねしょが起こりやすくなります。
つまり、おねしょの改善には、膀胱の成長や抗利尿ホルモンの分泌量が増えるのを気長に待つ必要もあるのです。おねしょが続くと気持ちが焦り、つい怒ってしまいたくなりますが、お子さん自身はもちろん、ご家族にとってもストレスにならない対策方法を見つけることが治療の原則です。成功した日は大いに褒め、オムツや防水シートなどのおねしょ対策グッズを活用しながら向き合っていきましょう。

 

TOPIC3 生活習慣の改善からはじめてみよう

夜尿症の治療の基本は、生活習慣の改善です。以下のリストを参考にし、できることから取り組んでみませんか? 最近は共働き世帯も多く、夕食時間が遅くなる傾向がありますが、できるだけ寝る3時間前に夕食は済ませ、夕食時から就寝までの水分摂取を控えるように心がけましょう。また、寝る前にトイレに行く習慣をつけ、膀胱を空にしてから寝ることは夜尿症対策に重要です。しかし、膀胱が大きくなるチャンスをのがしてしまうので、おねしょをする前に夜中に無理にトイレに起こすのは控えましょう。

生活習慣改善ポイント

① 規則正しい生活をする
② 水分は朝・昼にたっぷり、夜は控えめに
③ 塩分を控える
④ 便秘に気をつける
⑤ 寝る前にトイレへ
⑥ 寝ている間に体を冷やさない
⑦ 夜中、トイレに起こさない

 

TOPIC4 幼児期に多いおしっこのトラブル

最後になりますが、小さい男の子に多い亀頭包皮炎をご紹介します。亀頭包皮炎は、おちんちんの先(亀頭)とそれを包む皮膚(包皮)に発生する感染症です。おちんちんが赤く腫れあがり痛くなったり、膿が出てくる場合もあります。通常は、抗菌薬の内服や抗菌剤入りの軟膏を塗ることで1週間ぐらいで治ります。亀頭包皮炎を繰り返すお子さんの中には包茎が原因のことがあり、繰り返す場合には一度泌尿器科でご相談になるといいでしょう。
おねしょや亀頭包皮炎などお子さんのおしっこに関するトラブルは、放っておくとその分治療期間も伸びやすくなります。また、夜尿だけではなく、日中のお漏らしが続く場合には膀胱機能のトラブルが隠れていることもありますので、早めに相談してみましょう。

 

アドバイスいただいたのは…

いしい腎泌尿器科クリニック
石井達矢院長

住所/山形市桜田西4-17-49
TEL/023-616-3601
診察時間/午前9:00~12:30、午後14:30~18:00
休/木・土午後、日・祝日


最新の情報とは異なる場合がありますので、ご確認の上、お出かけ下さい。

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