やきとり屋を営む店主が辿り着いた、究極の一杯
とりそばのお店 ふうりん

掲載号:ZERO☆23 2026年7月27日号
スパイスの香りに誘われて、
お店のひと皿からキッチンカー、おうちでつくるカレーまで。
この夏、味わいたいカレーを集めました。
今、山形では店ごとの個性が光るカレー文化が広がりを見せています。インドなどの現地の食文化をベースにしたもの、出汁を生かしたもの、独自の発想で生まれた創作系など、そのスタイルは実にさまざま。ひと口にカレーといっても、その世界は想像以上に奥深く、個性にあふれています。
そんな山形のカレーシーンを盛り上げている一人が、山形市七日町の「ダズカリー」を営む安達さんです。さまざまなカレーの魅力をもっと知ってほしいという思いから企画したのが、2026年4月に山形駅西口で開催された山形カレーフェスでした。
カレーフェスでは、各店のカレーを食べ比べできるようにミニカップで提供。
フェスには県内14店舗が参加。あえて3店舗分のミニカレーを食べ比べできるスタイルを採用し、多様な味わいに触れられる場となりました。2日間で約6000杯を販売する大きな反響があり、イベント後には「フェスで食べて気になったので来ました」という来店が、路面店やキッチンカーを問わず増えたそうです。第2回は10月上旬に開催予定。カレーを通じて人や店がつながり、新たな文化が生まれています。
取材日は「黒酢と出汁を合わせた和風ポークヴィンダルー」とさわやかな「レモンとミントのチキンカレー」。写真は、ごはんの上に無水チキン(+300円)をトッピング。
安達さんは「カレーには正解がなく自由だ」と話します。地域によって味も食べ方も異なり、店ごとに大切にしているものも違う。その自由さこそが、カレーの面白さだと考えています。だからこそ、さまざまなカレーを知り、自分好みのひと皿を見つけてほしいと願っています。
それを象徴するのが、ダズカリーの看板メニュー「和の出汁ポークカレー」です。鰹節や宗田鰹節、昆布で丁寧にとった出汁をベースに、特製のかえし醤油を合わせた一杯。どこか親しみやすい和の味わいが特徴で、店主自身は「そば屋のカレーのスパイスカレーバージョン」と表現します。 使用するスパイスは10種類以上に及びますが、主役はあくまで出汁です。魚介の香りや旨みを損なわないよう必要なものだけを厳選。スパイスの刺激を前面に押し出すのではなく、出汁の風味を引き立てるために使っています。 週替わりカレーも人気で、和の素材や調味料とスパイスを組み合わせたメニューを提供。また、ごはんは山形県産のつや姫と雪若丸をブレンドして使用しています。つや姫の旨みと雪若丸の粒立ち、それぞれの長所を生かした組み合わせです。
もともとはシェアキッチンでの間借り営業からスタートした安達さん。試行錯誤を重ねながら自分らしいカレーを追求し、現在の店を築いてきました。 「いろいろなお店のカレーを食べて、自分の好きなひと皿を見つけてほしい」。安達さんの言葉どおり、山形のカレーシーンには実に多彩な個性が集まっています。自由だからこそ広がり続ける山形のカレー文化は、今まさに面白さを増しています。

七日町を選んだ理由は、働く人が多く、ランチ利用が期待できたから。今では遠方から訪れる常連客も増えているといいます。
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