子どもよりも気をつけたい！ママの歯の健康

けんこうnavi

掲載号：mamaid 2019年7月20日号

• mamaid健康Navi

どんなに忙しくても自分のカラダについて、そして家族の健康に関心を持っておくのは大切です。
このページは医療や健康に関することをその道の専門家にわかりやすく教えてもらうコーナー。
女性として、母として知っておきたい基礎知識をおさえておきましょう。

 

TOPIC1　妊娠・出産は、歯のトラブルが多くなります

母子手帳に「妊娠中と産後の歯の状態」のページがあるのをご存知ですか？ 妊娠中は、女性ホルモンの増加や、つわりや食生活の変化によって口腔内のバランスが崩れやすくなるため、歯周病や虫歯にかかりやすくなります。多くの研究から、歯周病菌がだす内毒素が子宮を収縮させるホルモンに似ているため、流産や早産、低体重出産を引き起こすと言われています。妊娠中、歯に違和感がある方は、産婦人科の先生と連携をとり、治療を進めていくと良いでしょう。最近では、妊産婦の方が安心して治療を進められるよう「マタニティ歯科問診票」を用意している医院もあります。受診の際は、妊娠中であることを必ずお伝えください。

 

TOPIC2　妊娠中の歯科治療について

レントゲンや麻酔治療に不安を感じる方もいらっしゃると思いますが、妊娠中でも安心して受けていただけます。まずレントゲンの場合、歯はお腹から場所が離れているのに加え、撮影の際には鉛のエプロンを着用します。よって、お腹の赤ちゃんが被ばくする量は限りなくゼロに近いため、被ばくの影響はまったくないのに等しいことがわかっています。また、歯科治療に使う麻酔は、全身麻酔ではなく局所麻酔です。治療を行う歯の周辺にしか麻酔薬は停滞しませんので、赤ちゃんに影響はありません。
　産後は、赤ちゃんのお世話に追われるため、歯科治療に通いにくくなってしまいます。できるだけ、体調が安定している時期（5~9ヵ月）に治療を行うことをお勧めしますが、ママの体調によって妊娠初期や妊娠後期でも治療は可能です。治療において不安なことは、その都度、かかりつけ歯科医師にご相談し、歯を健康な状態にして出産を迎えるといいでしょう。

 

TOPIC3　まずは、妊娠中から予防習慣を

産後1年程度は、ホルモンバランスが元の状態に戻らないため、妊娠中と同じように歯のトラブルが起こりやすくなります。虫歯菌の中の悪玉菌であるミュータンス菌は、お子さんが1歳7ヵ月から2歳7ヵ月くらいの間に、大人から唾液を通じて感染することがわかっています。そのため、妊娠中から歯周病や虫歯を予防する習慣を意識してみましょう。中には、つわりがひどく、歯磨きそのものができない方もいらっしゃいます。その場合は、下図を参考にして、無理のないように口腔ケアをおすすめします。

 

TOPIC4　親子で健康な歯を手に入れましょう

妊娠・出産を経て、ママの歯が健康であり続けることは、生まれてくるお子さんの虫歯予防にも繋がります。1人目の時には気をつけていても、2人目以降は子育てに追われ、自分の歯のことまで気が回らなくなりがちです。睡眠不足で疲れが溜まりがちな産後は、身体の免疫力も下がってしまうので、少しの刺激で歯肉が腫れ、そのまま歯周病に進行してしまう場合もあります。
産後は、体調が良ければ1ヶ月頃から治療をすること可能です。最近は、赤ちゃん連れでも通える歯科医院も増えていますので、まずは歯のクリーニングからはじめてみてはいかがでしょうか。小さい頃からママと一緒に通うことで、お子さんの歯科医院への抵抗も少なくなります。歯は一生のパートナー。親子で一緒に予防習慣を身に付け、健康な歯で毎日を楽しく過ごしていきましょう。

 

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