子どものあざ、どこまで気にする？

けんこうnavi

掲載号：mamaid 2019年12月20日号

• mamaid健康Navi

どんなに忙しくても自分のカラダについて、そして家族の健康に関心を持っておくのは大切です。
このページは医療や健康に関することをその道の専門家にわかりやすく教えてもらうコーナー。
女性として、母として知っておきたい基礎知識をおさえておきましょう。

TOPIC１　子どものあざ、どこまで気にする？

　一般的に、あざは「青あざ」「茶あざ」「黒あざ」「赤あざ」と色によって分けて呼ばれます。「赤あざ」は皮膚の血管の色ですが、その他は、原因となる色素の細胞が皮膚のどの深さにあるかで色が決まります。大体のものは、生後すぐから体のどこかにあり、まれに思春期頃に発生する場合もあります。ほとんどが偶発的に発生し、明確な原因はありません。
　しかし、中には、大きな病気の1つの症状として現れるものもあるため、場所、色合い、大きさによって、早期から治療が必要な場合があります。ただし、正しく治療を行えば治るものですので、小児科医や皮膚科医、形成外科医とよく相談し、成長と共に経過を観察していきましょう。

TOPIC２　自然に消えるあざ、消えないあざ

　蒙古斑に代表される青あざは、色素の細胞が深いところに集まってできています。ほとんどの人のお尻や背中にあり、学童期頃に自然と消失します。ただし、通常はあまりできることのない場所などにできる異所性蒙古斑は、消えにくい性質を持っています。他にも、思春期以降の女性に多い太田母斑は、目の周りや頬を中心とした顔の片方にできる青あざです。まれに乳幼児期から濃くなってくるものや、顔の両方にできるものもあります。
　また、未熟な毛細血管が増殖して現れる良性の腫瘍がいちご状血管腫です。生後すぐ、あるいは生後数週間以内に発症し、表面がいちご状に赤く盛り上がった後に、数年かけて徐々に赤みが抜け、消失します。顔や目の周り、頭皮など将来の跡が残り問題となる場合、急速に大きくなる場合などには、早めに治療を開始する必要があります。

生後すぐに診断された異所性蒙古斑の例。他の蒙古斑に比べて、色が濃く、範囲が広いのが特徴。

TOPIC３　小さいからこそレーザー治療が効果的です

　あざの治療には、経過観察、薬による治療、手術、レーザー治療などの選択肢があります。中でも副作用の少ないレーザー治療は、小さいものであれば麻酔を使わずに治療ができるので、早期からの治療が可能です。
　例えば異所性蒙古斑の場合、あざの大きさ、色の濃さによって治療時期が異なりますが、通常２~３カ月おきに5~10回程度行えば、目立たなくなります。治療後は、処方された塗り薬を1週間使用し、直射日光に当たらないように気をつけながら普段通りの生活を送ることができます。子どもの場合、あざの範囲も狭いため、レーザー治療の効果がより高くなります。治療による痛みは伴いますが、部位に応じて痛みを和らげるテープタイプの麻酔や、局所麻酔を行う場合もあります。赤ちゃんの頃に治療をスタートすれば、記憶に残らないうちに治療を終えてあげることもできますので、気になる場合は早めの治療をお勧めします。

TOPIC４　意外と知らないやけどのケア

　他にも、やけどが原因であざが残ることもあります。やけどは熱傷ですので、この場合のあざは傷跡として治療を進めます。ただ、やけどは、初期治療を正しく行えば、傷跡が残りにくいもの。みなさんはやけどをした場合、すぐに冷やしていると思いますが、保冷剤や氷で患部を直接冷やしていませんか? 実は、冷やし過ぎは「凍傷」になってしまい、やけどの傷を深くしてしまうので逆効果と言えます。特に、皮膚が薄いお子さんの場合は注意が必要です。
　やけどは、5分ほど流水で冷やし、しっかりと絞ったタオルで患部をそっと抑えて患部が空気に触れないようにしてあげましょう。皮膚に赤みがある状態であれば特に治療の必要はありませんが、炎症を抑える作用の軟膏を塗るとより傷跡が残りにくくなるものです。ただし、水ぶくれができた場合には、細菌感染を防ぐためにも早めに医療機関を受診することをお勧めします。

 

 

---

最新の情報とは異なる場合がありますので、ご確認の上、お出かけ下さい。