絵本で一緒にあそばねがぁ〜

LOVE山形弁　ダニエル・カールさん

掲載号：mamaid 2020年5月20日号

• mamaidインタビュー絵本

タレント、山形弁研究家として長年活躍するダニエル・カールさんが、初めて翻訳を担当した絵本が出版されました。全編山形弁で繰り広げられる物語「ちちゃこいやつ」は、ダニエルさんの山形弁への愛が詰まった一冊です。
英語から山形弁に翻訳した絵本はどうやって生まれたのか。ダニエルさんに、絵本に込めた思いや山形弁の魅力についてお話を伺いました。

山形弁で翻訳！味があっておもしゃい

山形弁の絵本が生まれたのはどんなきっかけだったのですか？

出版社から英語の絵本を翻訳するお話をもらって、どんな風にしようか考えたんです。普通に標準語でも良かったんだけど、なぁんかおもしろぐないがなぁと。山形弁にすることで、味があって面白みがあって、いい具合になったと思います。
翻訳するときは、村山弁と置賜弁のどっちにすっか悩んだんですよ。山形は４つの地域それぞれ言葉が違っておもしゃいがら。でも全国の人に読んでもらいたいし、なるべく分かりやすい山形弁になるように心がけました。山形の子どもたちはもちろん、全国に山形弁の魅力を届けたいですね。

絵本は、可愛らしい絵とユニークなストーリーですね。初めて読んだ時はどんな感想でしたか。

ストーリーにメリハリがあって、小さい子どもが喜びそうだなって思いました。もともとのタイトルは英語で「THE CAVE」。ほら穴っていう意味なんですよ。穴の中になんだかわからないけど小さいものがいるぞっていうところから話が始まるので、翻訳ではそれを可愛らしさがでるように「ちちゃこいやつ」と表現しました。イラストも、ほんってめんこいのよ！ 全部のページにピンク色のしゃくとり虫が描かれていて、それを探すっていう楽しみ方があるのもユニークでいいなって思いました。

絵本は親子の関係を深めるツール

絵本の翻訳は初挑戦だそうですが、絵本はお好きですか？

この仕事をさせてもらって、息子が小さいころに絵本を読み聞かせていたことを思い出しましたね。息子はもう28歳ですが、生まれて間もないころから、英語と日本語両方で読んだっけなぁ。子どもは、親に本を読んでもらうのが大好きですよね。息子には、私がキャラクターになりきって一人芝居みたいに本を読んだから、大喜びしてくれましたよ。絵本を通じで親子の関係が深まった気がします。
親が読み聞かせをしていると、声に合わせて子どもは文字を目で追うから、自然に文字を認識するようにもなると思います。いいことだらけだから、お父さんお母さん、お子さんにいっぱい絵本読んでけでほしいですね。

山形の魅力、山形弁で発信してけろ

山形の土地、山形弁のどんなところに魅力を感じますか？

山形は、大自然がすんばらしい。住んでいる人の性格は、生真面目さとフレンドリーさがごちゃまぜで、良く笑う人ばっかりだべ。そして、食べ物はほかのどこにも負けないくらい豊か。山形には「なんもね」って謙遜する文化や県民性があって、それも美点なんだけっど。身近にあるものの素晴らしさに自信をもって、自慢してみでもいいんでないがな～と思います。山形弁で話すと、人との距離がぐっと縮まっから。若い世代も、山形弁でどんどんふるさと自慢を発信してけろ～。

 

ダニエルさんが大好きな山形弁BEST３

	01　””さすけねぇ〜”” =大丈夫だよ 江戸時代などに武士が「差支えない」と使っていたものが山形弁として残ったんだど。歴史があるし、短くてスマートでかっこいいのよ～
	02　”つたらぱたら” =ドタバタしている様子 初めてこの言葉を聞いたとき、意味が分からなくても音の響きでこんな感じがなぁってニュアンスでわかったんだっけ。それも山形弁のおもしゃいどころだな。
	03　”ちゃっちゃど” =早くして！ 早くには「わらわら」など他の表現もあるげど、「ちゃっちゃど」の音の響きが最高。宮城県や福島県の内陸部などでも通じっから、東北弁として守っていってほしいなぁ。

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