山形 町そば《前編》

山形・天童 町そば｜山形のそば

掲載号：ZERO☆23 2023年10月27日号

• 山形のそばZERO☆23山形市

いつもの日常で食べるそばは、ちょっとだけ細くなり、種物そばがあったり、そば前でお酒が飲めたり。
あなたのご贔屓はどのお店ですか？

そば処 庄司屋 御殿堰七日町店

相盛り板天 2,400円
庄司屋の細打ちそば2種類。料亭の技でさっくりと仕上げた天ぷらと一緒に、板の上へ。店の入り口から、そば打ちの様子が見られることも。

今日もいつも通り、100年前と同じようにそばを打つ

庄司屋の創業は江戸末期。大いに繁盛し、代々引き継がれてきました。昭和になると手打ちそばが見直され、細くて喉越しのいい、江戸そばを研鑽した4代目・庄司武彦さんが、その技術を山形市内で教えたのです。5代目・信彦さんは料亭などで修業し、老舗そば屋のニューヨーク支店で4年間勤務。その後、庄司屋へ戻り、御殿堰七日町店をつくりました。食事として食べるそばと、お酒とともにそば屋時間を味わう、そば会席料理。七日町店はその両方を実現できる技術と、モダンな雰囲気を備えています。小川が流れ、柳の木が揺れる御殿堰で、100年前から変わらぬそば屋の空気を楽しんでみて。

【そばDATA】品種：でわかおりを中心とした県内産 ／ 配合：外一 ／ 太さ：細

かも焼き990円／酒のつまみになる、そば前も充実しています。鴨肉と焼いたねぎというシンプルさは、素材に自信があるからこそ出せるひと品。選りすぐりの日本酒に合わせて。

手打 梅蕎麦

二色せいろ 1,300円
秋から冬の変わりそばは「青じそ切り」や「ゆず切り」が登場。そば打ちも釜前（ゆでる）も天ぷらも、すべて山川さんが担当。

コロナ禍を経てさらに進化。唯一無二の境地を行く

十割なのに、その細さに驚かされる梅蕎麦。山川純司さんは老舗そば屋を40年前に継ぎましたが、東京で食べ歩いたそばを目指し、独自に研鑽を積んできました。「自分の好きなそばを打つうちに、どんどん細くなった。そしてどこにもないそばを打ちたくなった」と話します。常識とは違う打ち方も試し、コクがあってすっきりしたそばを完成させました。人気店となった今も、探求心は止まず、コロナ禍にさらに改良を行ったのです。麺の密度を高めたそばは、シャキシャキして味が強く、表面が美しく輝いています。概念にとらわれず、自由な発想で打ったそばがここにあります。

【そばDATA】品種：でわかおり ／ 配合：十割、変わりそば二八 ／ 太さ：極細

納豆そば1,150円／東京で流行っていたので、つくったというメニュー。納豆のつるっとした食感が細打ちそばにベストマッチ。するするっと食べられて虜になるはず。

手打ちそば 港屋

相盛りそば  1,060円
細打ちは村山産「でわかおり」、太打ちは尾花沢産「最上早生」。地元の醤油でつゆを仕込み、地産地消も大切にしています。

産地や品種によって、異なる味わいを引き出す

お品書きに書かれたそばは、太打ちと細打ちを自由に選べるのが特徴。ご主人のそばに対する思いには並々ならぬものがあり、時期ごとに最良の産地を厳選。太さに合わせて適した品種も吟味して、2種類のそばが互いに混ざらないよう、毎日2台の石臼で自家製粉するこだわりです。製粉はご主人、そば打ちは東京で修業を積んだ息子さんが担当。そばを盛る皿、そばちょこ、湯飲み、薬味皿などは陶芸歴40年以上のご主人のお手製です。

【そばDATA】品種：でわかおり、最上早生、ほか ／ 配合：外二、季節により外一／ 太さ：細、太

ミニたぬきそば（600円）／こちらのメニューのほか、もりそばやかけそば、ラーメン、丼など、もう少し食べたい方にうれしいミニサイズも用意。

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