掲載号:mamaid 2020年5月20日号
どんなに忙しくても自分のカラダについて、そして家族の健康に関心を持っておくのは大切です。
このページは医療や健康に関することをその道の専門家にわかりやすく教えてもらうコーナー。
女性として、母として知っておきたい基礎知識をおさえておきましょう。
むし歯予防として知られるフッ素は、お茶や海藻などの食品に多く含まれ、私たちの体を構成する元素の一つです。歯磨き粉には’フッ化ナトリウム’などの化合物として含まれています。
では、どうしてフッ素がむし歯予防に効果的なのかを知っていますか? そもそもむし歯の原因は、歯の表面についた歯垢(プラーク)に住み着いているむし歯菌が、糖を取込んで酸を出すことにあります。この酸が歯を溶かすためにむし歯になってしまうのです。フッ素には①歯質を強くして酸に溶けにくくする②むし歯菌の働きを抑える③唾液に含まれるカルシウムイオンとリン酸イオンの取込みを高め、歯を修復する(再石灰化)といった3つの働きがあります。これにより、むし歯の予防や、初期むし歯から元の状態へ戻す効果があるので、ぜひ積極的にフッ素を利用していきましょう。
フッ素は生えたての歯に作用させるのが最も効果的です。ただし一度塗っただけでは効果は長続きしないため、回数を重ねることが歯の強化には大切なのです。
そこで、おおよそ1歳前後、上下の前歯がある程度生えてきたら、フッ素塗布のデビューの時期と考えてみてはいかがでしょうか? その後、3ヶ月〜6ヶ月ごと、定期的にお口の状態をチェックしながらフッ素塗布を行うことで、丈夫な歯へと育っていきます。歯科医院は小児科などに比べてなかなか行きづらいイメージがあるかもしれませんが、お子さんの歯の生え方や歯磨きの仕方など、歯に関する疑問を聞きに行くつもりで気軽に受診してみて下さい。最近は歯みがきに関する絵本も多く出版されていますので、上手く活用しながら親子で楽しくお口のケアをはじめてみませんか?
フッ素はむし歯予防にとても有効ですが、毎日の歯磨きが何より重要です。まず月齢にあったお気に入りの歯ブラシを選び、歯の表面を丁寧に磨いてあげましょう。子どもの場合必ずしも歯磨き粉は必要ではありませんが、好きなフレーバーを選んであげると歯磨きタイムが楽しくなるでしょう。
フッ素入りの歯磨き粉を選ぶ際は、5歳頃までは500ppmF、それ以降は950ppmFの濃度を目安にしましょう。うがいがまだ不安であればジェルタイプ、上手にできるようになったらペーストタイプをおすすめします。また、毛先が広がった歯ブラシでは歯磨きの効果が半減してしまうため、適宜新しい歯ブラシへの交換も大切です。歯ブラシの毛先を使い分け、”小刻みになでる”イメージで優しく磨きましょう。
3〜4歳頃になると歯磨きに興味を持ち、自分で歯磨きをしたがるお子さんも増えてきます。しかし小学校3〜4年生ごろまではしっかり磨くのが難しいので、仕上げ磨きが必要です。あまり神経質にならず、「1日1回寝る前だけ」「今日できなかったらまた明日」と頑張りすぎないように続けていきましょう。またそれ以降も小学校卒業頃までは、回数を減らしながら時々歯磨きをチェックしてあげて下さい。
最後になりますが、むし歯の原因には食べ方も大きく関係します。長時間、口の中が糖にさらされている状態を避けることがポイントです。糖は甘いものだけでなく普段の食事にも含まれていることをお忘れなく。間食を含む”食べる”間隔を2時間以上空け、ダラダラ食べ・飲みはやめましょう。これだけで、むし歯になりにくい環境をつくることができます。
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