GOURMET たべる

やまがたの町中華 No.2

五十番飯店

掲載号:ZERO☆23 2020年4月27日号

町中華の礎を築いた味と技、世代を超えて笑顔をつなぐ

 山形駅前の繁華街に店を構える「山形五十番飯店」は創業から60年を迎えた中華料理の老舗。先代・千場実さんが横浜の中華街で働いていた時に出会った中華のおいしさを「山形の人にも食べさせたい!」という想いで、山形市本町に開店しました。「当時はみそを使ったラーメンが珍しく、昔はよくジャージャー麺食べに行ったよ、と話してくれるお客さまもいますね」と語るのは、先代の娘さんでホールを取り仕切っている伊藤優子さん。中国から料理人を招いて本場の味や料理法を学びながら豊富なメニューを提供し、お客さんに喜ばれていたといいます。
 1971(昭和46)年には2号店となる現店舗を出店。多くの料理人がここで腕を磨き、独立開業していきました。中華料理の味をより多くの人に楽しんでもらうため、現在も料理人の育成に力を入れているのが、このお店の特徴でもあります。店長の桑原幸司さんは「コックさんが少ない時代になりました。厨房に立つみんなで、よりよい味を求めていかなければ」と語り、自身も研鑽を積んでいます。3ヶ月に一度刷新している季節限定メニューは腕の見せどころ。7年前に開発した「しじみラーメン」は、さっぱりとした塩味のスープに滋味深い貝の旨みが溶け込んだ逸品で、好評によりグランドメニューに追加。五十番飯店の歴史に新たな1ページを刻みました。
 深夜2時まで営業していて遅くまでにぎわうお店ですが、ランチタイムや飲茶、テイクアウトも人気で家族連れも多いそう。「2世代、3世代にわたって来てくれるお客さまがいます。小さな頃から来ている人って食べるものも変わらないんですよ。ここではこれ、と決めていてね」とうれしそうに笑う伊藤さん。「五十番に行けばうまいものがある」という信頼に応え続けているお店です。

家族のようなあたたかい雰囲気と活気は昔のまま。
創業当初から変わらない味と大きさ。手づくりの焼餃子(462円) 野菜の食感と厚切り豚肉が食欲をそそる回鍋肉(1,540円)
しじみラーメン(825円)  
山形五十番飯店 駅前店
(ヤマガタゴジュウバンハンテン エキマエテン)

住/山形市香澄町1-8-8 第一ビル1F
電/023-623-0050
営/11:30~翌2:00
休/日曜
駐/無

テイクアウトOK
※汁物以外OK。弁当可
※電話予約可


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