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男の子ママが知っておきたいおちんちんケア

健康Navi

掲載号:mamaid 2019年4月20日号

どんなに忙しくても自分のカラダについて、そして家族の健康に関心を持っておくのは大切です。
このページは医療や健康に関することをその道の専門家にわかりやすく教えてもらうコーナー。
女性として、母として知っておきたい基礎知識をおさえておきましょう。

 

TOPIC01 おちんちんを清潔にするコツ

男の子のママにとって謎の多いおちんちんのケア。まずその構造ですが、おちんちんは先端に亀頭部があり、生まれたときは包皮で覆われています。股の間の陰嚢の中には将来精子をつくる精巣が左右1つずつ入っています。男の子は女の子よりも尿道が長いので膀胱炎になりにくい構造になっています。過剰なほどに清潔にする必要はないです。赤ちゃんの頃はおむつが少し重くなったら交換すれば十分。うんちがついた時以外はシートでごしごし拭く必要はありません。おむつが外れた後はおしっこの後に絶対に拭く必要はないですが、右の絵本のようにパンツにおしっこが染みるのが気になるときは軽くティッシュで拭く程度で良いです。

ズボンにちょっぴりもれちゃうおしっこ。
男の子のあるあるをユーモラスに描いた「おしっこちょっぴりもれたろう」

 

 

TOPIC02 おちんちんの皮は無理にむく必要はない

おちんちんの皮をむいたほうがいいのか悩むママも多いようですが、こどもは皮がむけない事が普通です。こどもの頃に皮がむけない事で病気になることはまずありません。思春期を過ぎると包皮をむけるようになってきますが、それまでは無理にむく必要はありません。無理にむいてしまって元に戻らなくなると嵌頓(かんとん)包茎といって亀頭部分が首を絞められた様な状態になります。皮が戻せず病院受診される子もいて、中には皮が戻せないので手術になってしまう事もあります。成長して自然とむける様になった後も、しっかりと元に戻す事を教えてあげてください。

 

TOPIC03 知っていてほしい精巣の病気

精巣は生まれる前はおなかの中にあり、生まれた後は陰嚢に降りてきます。しかし中には精巣が陰嚢に降りてこないことがあります(停留精巣)。自覚症状はなく健診で指摘される事がほとんどです。健診で指摘されたらまずかかりつけ医を受診してください。停留精巣と診断されても中には自然と精巣が降りてくる子も居ます。寒いと陰嚢が縮んで精巣が降りてるかどうか良く分からない事もあるので、お風呂の時に陰嚢に精巣があるかどうか見てみるといいでしょう。2歳になっても降りない場合や、降りてもそけい部に上がりやすい場合は手術を行う事になります。自覚症状があるもので知っておくべきなのは精索捻転です。精巣に繋がる血管がねじれて血が通わず、放っておくと精巣が腐ってしまいます。陰嚢が腫れて触ると強い痛みがあり、こどもが「お腹が痛い」と訴えるだけで診断が難しいときもあります。治す為には緊急手術が必要です。急にお腹が痛くなって我慢できないのが1時間も続くときは速やかに病院を受診してください。

 

TOPIC04 家庭の中で自然と話をしてみましょう

「ぶつけたときの痛さは?」「皮ってどうやって戻すの?」ママにとってわかりにくい感覚は、迷わずパパに聞いてみましょう。男性にしてみれば、自分の身体のことを聞かれているので、案外恥ずかしくないものです。また、小さいうちはパパも積極的にお風呂に入ったりオムツ替えをして、子どものおちんちんの変化をチェックしてあげましょう。おちんちんの先が赤くなったり、かゆがったり気になる症状があったら近くのかかりつけ医に相談してみてください。また、幼児期になると自分の身体に興味を持ち始め、おちんちんを触る子もでてきます。成長の過程で自然と始まることなので、過度に否定せず、「人前では触らない」というルールを教えてあげましょう。小さい頃から家庭の中で自然とおちんちんの話をすることは、自分の命や身体の大切さを伝えることと同じことだと思います。このページが、そのきっかけになってくれたら嬉しいです。

 

アドバイスいただいたのは…

山形大学医学部付属病院 泌尿器科
医師 窪木祐弥

●山形市飯田西2-2-2
●TEL:023-633-1122(代表)
●www1.id.yamagata-u.ac.jp


最新の情報とは異なる場合がありますので、ご確認の上、お出かけ下さい。

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