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普段の生活に取り入れられる手軽な防災術で、わが家の備えを見直してみましょう。

日常から備える防災

掲載号:mamaid 2019年8月20日号

9月1日は防災の日。6月には庄内で大きな地震が発生しました。
いつ起こるかわからない災害に備えなくてはと思っていても、なんとなく後回しになってはいませんか?
普段の生活に取り入れられる手軽な防災術で、わが家の備えを見直してみましょう。

教えてくれたのは…

防災士
細谷 真紀子さん

減災Days主宰。東日本大震災後に防災士の資格を取り、県自主防災アドバイザーなどを務める。
子育て世代の防災のポイントについて講演活動を多数行っている。

 

「いのちを守ったら、いつもの家族の日常を取り戻す」

災害が発生した場合、電気水道などのライフラインが停止したり、物流が止まって生活必需品が届かなくなったりします。
もしものために、最低3日分(細谷さんは1週間分を推奨)の水と食料を備蓄することが推奨されています。
でも、保存食や水を大量に買っても、期限切れの心配や収納場所の確保が大変…。
そこで、細谷さんがおすすめするのが「ローリングストック」です。
いつも使っている食料品や日用品を多めに買っておき、普段の生活で使い、使った分を買い足すことで常に新しいものと入れ替えていく備蓄の方法です。

〈細谷さんのストックを拝見しました!〉
ご主人、中2と年少のお子さんの4人家族です。

ちょこっと防災アイディア その1
乾物や調味料、レトルト食品、缶詰などをストック!

食べ物で少しでも安心できるよう、自分や子どもたちが好きなものをストックしましょう。
キッチンの収納庫
缶詰やレトルト食品は、種類がとても豊富で、煮魚などの主菜からフルーツやケーキなど、甘いものまでさまざま。
災害時は、ストレスがたまりやすくなります。子どもが好きなお菓子を多めに買っておくのも、立派な備蓄になりますよ。
数はそれぞれ同じものが複数個。いつもより、1つか2つ多めに買っておきましょう。また、備えている食品(冷えていても、常温でも)を子どもが食べられるか、必ず試しておきましょう。
ちょこっと防災アイディア その2
疲労回復が期待できるみかんジュースを多く備蓄!

暑い時期は飲む量も増えます。
時期や子どもの好みに合わせ、普段飲んでいる飲料を組み合わせて用意!
水やジュースなど飲み物
水分は、1人1日3リットル必要とされています。それを水だけで備蓄と考えると大変。イオン飲料や野菜ジュース、お茶などでも大丈夫です。
ごはんを炊くのに、水ではなくジュースで炊くこともできます。

 

ちょこっと防災アイディア その3
避難時のお子さんの靴の確保を!

「1サイズ大きい内履き」を枕元に置いておきましょう。
新品に名前を書き、すぐ履けるようにスタンバイ。

もし寝ているときに地震が起こったら、窓ガラスが散乱した部屋から逃げなくてはいけないかも。
そんな状況に備えて、「1サイズ大きい内履き」を枕元に置いておくこと。
災害が起きずにお子さんが成長したら、園や学校で内履きがサイズアウトした際にそれを持たせます。また大きめサイズを買っておけば、無駄になりません!

 

ちょこっと防災アイディア その4
見かけたら「大丈夫かな?」と気にかけてみよう

日常生活や災害時など、見かけたら「大丈夫かな?」と気にかけてみましょう。

ヘルプマーク
外見では分からない援助や配慮を必要とする人が、周囲の援助を得やすくなるようにするマーク。
子どもの場合は発達障害や食物アレルギーなどがあるとき、内容を記載しておくと、災害時に避難所などで配慮を受けやすくなります。
県や市町村の窓口で、無料で配布しています。

 

ちょこっと防災アイディア その5
自宅で避難ができる場合、トイレの水をすぐに流すのは…絶対NG!なぜ?

お家の中の排水管や汚水を処理する下水施設、下水管が壊れている(稼働していない)可能性があるからです。
みんながトイレを流してしまったら、街中が汚物で溢れてしまうことも…

災害時のトイレ
★防災トイレの作り方    
材料
・透明ポリ袋 45ℓ
・黒いポリ袋 20ℓ
・吸水シート、ポリマー材
(ない場合は新聞紙でも可)
・防臭用の袋
・蓋付きポリバケツ
トイレに透明ポリ袋をかぶせ、その上に黒いポリ袋を広げます。
中に吸水シートを敷きます。用を足したら、黒いポリ袋の口を縛り、防臭袋に入れてポリバケツに保管します。

 

ストック食材で、災害時の食事を作ってみよう

災害が発生すると、ライフラインがストップする可能性が高いです。
調理の熱源は、各家庭の普段のエネルギー源に合わせて適したものを備えましょう。
カセットコンロの場合、ボンベ1本で約1時間使用可能。電気はガスに比べ復旧が早い場合が多いので、避難生活が長期化した場合に電気調理器具でも調理可能になります。
災害時に役立つ「パッククッキング」

限られた水やエネルギーで、衛生面に配慮した食事を用意するため、ポリ袋に食材を入れてお湯で煮る方法が手軽です。
直接食品に手が触れないので感染症予防の効果もあり、ポリ袋を煮る鍋の水は、何度も繰り返し使えます。

【注意】
パッククッキングに使うポリ袋は、厚手で必ず「高密度ポリエチレン」と表記があるものを使って下さい。
山形の家庭で一般的な「アイラップ」の場合は、薄いので二枚重ねにしてね。
災害時に大切な水。洗い物を少なくする工夫を!

 

1.ご飯を炊く
材料(大人1~2人分)
・米1合に対し、同量の水
※固く炊き上がるので柔らかいものがお好みの
場合は水を多めに!水の量を変えればおかゆにも!
①洗米、浸水はなし。そのままポリ袋に入れます。
②ポリ袋の空気を抜き、きつくねじってなるべく上を結ぶ。なるべく平らにして、沸騰したお湯に入れ、再沸騰後中火で20分+蒸らし10分。

※鍋底にビニールが付かないように、調理の際はお皿を沈めてね

 

2.焼き鳥缶詰で作る親子丼
材料(大人1~2人分)
・たまねぎ(1/6個くらい)
・卵1個
・焼き鳥缶詰1個
・グリーンピース缶詰(なくても可)
①たまねぎを普段より小さく薄切り。
②ポリ袋に切ったたまねぎ、卵を割りいれ、焼き鳥缶詰をたれごと入れる。袋の外側から揉む。
③空気を抜いてねじり、口を結ぶ。沸騰したお湯に入れ中火で10~20分。卵と玉ねぎに火が入れば出来上がり。
ごはんに盛り付け、缶詰のグリーンピースを飾る。

 

3.混ぜるだけ副菜
材料(大人3〜4人分)
・乾燥ワカメ 大さじ1
・サバ缶(水煮)1缶
・コーン缶詰 (お好みで)
・ごま油(お好みで)
・白だし(お好みで)
※サバ缶は味が濃いものもあるので、味付けは自分流に!
①材料をすべてポリ袋に入れ、ワカメが戻るまで置く。
②出来上がり。

 

4.ホットケーキミックスとフルーツの蒸しパン
材料(大人4人分)
・ホットケーキミックス200g
・バター10g
・卵1個
・果物の缶詰やレトルトパック1個
・牛乳適量
①ポリ袋にホットケーキミックスをあけ、フルーツをシロップごと入れる。
 作り方の説明の水分量をシロップ全量と足りない分を、牛乳(または水)で補って加える。
②卵、バターを加えて袋の外からよく揉む。
③空気を抜いてねじり、口を結ぶ。沸騰したお湯にいれ、中火で40分加熱。

 


最新の情報とは異なる場合がありますので、ご確認の上、お出かけ下さい。

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