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転びやすいから知っておきたい!子どもが頭をぶった時

けんこうnavi

掲載号:mamaid 2020年4月20日号

どんなに忙しくても自分のカラダについて、そして家族の健康に関心を持っておくのは大切です。
このページは医療や健康に関することをその道の専門家にわかりやすく教えてもらうコーナー。
女性として、母として知っておきたい基礎知識をおさえておきましょう。

 

TOPIC1 幼児期に多い頭のケガ

子どもは大人に比べると頭が大きいため重心が高めになり、また運動能力も未熟なため転んだ時に頭を打ってしまうことが少なくありません。国民生活センター「危害情報システム」によると、20歳未満の頭部外傷の割合は、0~4歳が58.4%と過半数を超え、その中で0歳10.0%、1歳17.1%、2歳13.7%、4歳9.0%と1歳が最も多いと報告されています。発生場所は自宅が多く、少し目を離した隙、つまり親のすぐ側で転落・転倒が起こっています。
頭を打った時、衝撃の強さなどによっては脳に影響を及ぼす可能性もあります。特に、身長の2倍以上の高さからの転落は重症な外傷につながる可能性があり注意が必要です。

転倒の主な原因
・0〜5ヶ月:ベッド、ベビーベッド
・6ヶ月〜4歳:階段
・ 5歳:自転車
・小さい子どもは「転落」、大きくなるに従って「転倒」が多くなる
TOPIC2 頭を打ったときには?

頭蓋骨は、丈夫な骨で出来ています。すぐに脳への影響が出る訳ではありませんので、慌てず対処していきましょう。出血している場合は、まずはイラストのように圧迫します。また、転倒によって脳が強く揺さぶられ「脳震盪(のうしんとう)」を起こし、嘔吐する場合があります。何度も嘔吐するような場合には、脳震盪ではない可能性もありますので受診が必要となります。
その他、5秒以上の意識消失、頭のへこみ、側頭部や後頭部を強く打った場合などは、かかりつけの小児科や総合病院への相談をお勧めします。症状がでるのは6時間以内という報告がありますが、最低でも48時間は経過観察を行いましょう。
判断に迷った場合は、website「こどもの救急」の「頭を強くぶつけた」を参考になさってください。

・清潔なタオルやハンカチで押さえる
・血が止まらない時は、病院へ
TOPIC3 3種類ある「たんこぶ」

転倒が原因で内出血をすると、「たんこぶ」ができ、出血の部位で大きく3つに分けられます。
1つ目は皮下血種で、皮膚の下の出血です。血液は固まるので、硬いたんこぶになります。2つ目は、帽状腱膜下血種で、皮膚と頭蓋骨の間にできます。血液は固まらないのでぶよぶよとし、柔らかいたんこぶになります。3つ目は、骨膜下血種で、頭蓋骨のすぐ上にできます。これもぶよぶよとし、柔らかいたんこぶになります。
どの内出血であっても、受傷直後は濡らしたタオルで冷やし様子をみましょう。氷を直接当てると冷えすぎてしまうので使用しなくてもOK。治る期間は、硬いたんこぶなら1~2週間、柔らかいたんこぶはそれ以上かかります。もし、急に大きくなったり、あまりにも大きい場合は一度受診しておくと安心です。

TOPIC4 転倒を防ぐためにできること

転倒はなるべく防ぎたいですが、ゼロにはできません。そこで年齢ごとの特徴を理解し対策を取りましょう。
生後~5ヶ月頃までは、床より高い位置に寝かせたりする場合には、より慎重に目を配りましょう。おんぶや抱っこひもから落下する事例もありますので、安全ベルトなどを正しく装着してください。6ヶ月頃~1歳頃は、お座りができ歩きはじめる時期です。床の段差や敷居につまずかないよう、クッションマットなどを活用してあげましょう。
1歳~4歳頃は、公園の遊具や自転車事故も多くなります。年齢に合った遊具を選び、自転車に乗る時にはヘルメットを適切に使用させましょう。5歳以降は幼稚園、保育園、小学校での事故やスポーツ事故が増加します。本人の危険に対する自覚を促していくことも大事になります。

 

アドバイスいただいたのは…

馬見ヶ崎こどもクリニック

大通 尚 先生

住所/山形市馬見ヶ崎1丁目18-6
TEL/023-616-6611
休/水曜、土曜午後、日・祝日
http://www.mami-kodomo.jp/

最新の情報とは異なる場合がありますので、ご確認の上、お出かけ下さい。

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