SPECIAL 特集

ママも子どもも冷えない体づくり

けんこうnavi

掲載号:mamaid 2020年2月20日号

どんなに忙しくても自分のカラダについて、そして家族の健康に関心を持っておくのは大切です。このページは医療や健康に関することをその道の専門家にわかりやすく教えてもらうコーナー。女性として、母として知っておきたい基礎知識をおさえておきましょう。

TOPIC 1 そもそも「冷え」って何?

 寒い季節になると気になる体の冷え。実は、気温によって体の表面が冷えているのではなく、体が芯から冷えている状態です。漢方医学では、その原因を腎臓の陽気(エネルギー)と考えています。冬は成長や発育に関わるホルモン分泌を司る腎臓が弱い季節。腎臓の陽気(エネルギー)が低下すると、体が冷え血流が悪くなり排出や解毒が上手く機能しないので、体内に水分が停滞しやすくなります。そのため、体のむくみ、手足の冷え、肌のくすみ、足腰のだるさ、疲れ、目のかすみ、皮膚の乾燥などの不調を引き起こします。
 また腎臓は、子宮や卵巣といった生殖器の働きにも深く影響していています。月経や妊娠・出産を経験する女性は、体が冷えることで月経不順や不妊、妊娠トラブルが起こりやすくなるので、腎臓の陽気を強くし、血流を良くすることが大切です。

TOPIC 2 寒さだけではない、冷えの原因

 「暖房をつけているのに、手足だけがずっと冷えている」「たくさん着こんでいるのに、寒くて仕方ない」1年中エアコンで快適に過ごせるようになり、防寒や防風グッズも数多く手に入るようになったのに、それでも冷えに悩まされてしまうのはなぜでしょうか?
 それは、私たちの生活習慣に原因があります。1年中冷たい飲み物や食べ物を口にしていませんか?冷えやすい手・足・首をカバーせず薄着で過ごしていませんか? 規則正しい睡眠を心がけていますか? 真冬でも短いスカートを履いていませんか? こうした習慣が冷える体を作ってしまうのです。体の表面を一時的に温めるだけではなく、少し意識を変え、体の内側から温める生活を心がけていきましょう。

今日からできる! 温活ポイント

足湯…足首まで温めてあげる
飲みもの…常温を口にする
食べもの…ショウガ、ネギ、黒ゴマ、酢etc
※調味料、添加物、塩分は控えめに

TOPIC 3 子どもや赤ちゃんの冷え
 基本的に、赤ちゃんや幼児に「冷え」という症状はありませんが、体温調節機能が弱いです。そのため先のような生活を続けると免疫力が低下し、風邪をひきやすくなったり、胃腸が弱くなったりと成長に影響します。また、血液の流れが悪くなるので、乾燥やじんましん、アトピーなどの症状も出やすくなります。
 そこで、小さい頃は自然サイクルに合わせて生活することを心がけましょう。早寝早起きをすれば自立神経が整います。夏は暑い外で汗をかき、冬は寒い戸外で体を動かすことで、皮膚が丈夫になり、体の熱の作り出す筋肉が育ちます。お風呂で洗いすぎる必要もありません。加工食品や甘いジュースを控え、雑穀米や季節の食材をよく噛んで食べることで、良質な栄養素が体のエネルギーになります。
TOPIC 4 自然の力で、健康になろう

 産後、体の冷えに加え、急に気持ちが落ち込んだり、不眠、腰や関節の痛みといったトラブルが増えていませんか? 妊娠・出産は、冷えの原因でもある腎臓の陽気(エネルギー)が、特に体に大きく影響を及ぼします。身体を温めたり、何をしても体質が改善しない時は、漢方で自然の力を取り入れ体と自律神経のバランスを整えてみましょう。身体に優しく副作用もないので、母乳にも影響がなく、病院の薬を併用することもできます。
 産後の不調や体の冷えは、「このくらいなら大丈夫」と放っておきがちでもあります。しかし、体の表には出ていない気血(エネルギー)は、季節や年齢によって弱くなっていくのが自然のサイクル。将来の病気を防ぐためにも、自然の季節の変化に従いながら、食事や生活習慣を見直し、健康な体づくりを目指していきましょう。

アドバイスいただいたのは…
懐仁堂漢方薬局山形店
医学博士
侯 殿昌 中国漢方医師

山形市十日町3丁目6-38
TEL:023-632-8007
営業日:火曜~金曜 10:00〜18:00
    (無料個別相談は火・木※要予約)
http://www.kaijindou.com/

 


最新の情報とは異なる場合がありますので、ご確認の上、お出かけ下さい。

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