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やまがたの町中華 No.13

やまがたの町中華 No.13

掲載号:ZERO☆23 2020年4月27日号

昭和50年に増築し、横長の建物になっています。お母さんの光子さん、現店主の優子さん。

愛されて半世紀以上。母から娘に受け継がれる名店の味

 すぐ近くに小桜館(旧・西置賜郡役所)という明治時代に建てられた建物があり、古きよき時代の雰囲気を感じさせるのが「桃華楼本店」です。開店は1963(昭和38)年と、東京オリンピックが開催された前年でした。現在は懐かしんで遠方から訪れる昭和時代のお客さんも少なくありません。
 店名は、ご主人の修行先からとったもの。当時は、まだ本格中華を味わえるお店が珍しく、横浜の有名店で修行を積んだご主人がつくりあげるひと皿を求めて、連日にぎわったといいます。しかし、これからという時にご主人が急逝。厨房に立つことになったのは、奥さんの光子さんでした。「直接教わったんじゃなくて、見よう見まねで覚えたんです」
 努力の甲斐あって、店は手狭になるほどの繁盛ぶり。1975(昭和50)年には店舗を増築してリニューアルします。それでも、「始業前に食べに来る勤め人の方もいらしたので朝は7時半から、夜は仕事帰りのお客さんでにぎわって12時までお店を開けていました」と光子さん。新装開店を知らせる当時のチラシが飾ってあり、昭和の人情味あふれる時代の雰囲気が感じられます。
 10数年ほど前からは娘の優子さんが後を継ぎ、母から娘にバトンタッチ。お米は県産はえぬきや雪若丸などを用いたり、手に入る旬の時期にはできるだけ長井産の野菜を使うのがモットーです。
 ニラの代わりに長井特産の行者菜でつくる餃子は自慢のひと品。自家製チャーシュー入りのチャーハン、ラードとサラダ油を半々でカリッと揚げて黒酢入りのたれで仕上げる酢豚といった中華料理の定番メニューのほか、2種類のソースをブレンドしてつくる野菜たっぷりの焼きそばは昭和の頃から評判の看板メニューとなっています。

チャーハン(700円) 豚もも肉を使った酢豚(1,000円)
メキャベツに豚肉、行者菜入りの手づくり餃子(5個400円)  
桃華楼本店
(トウカロウホンテン)

住/長井市大町4-12
電/0238-84-1518
営/11:30~14:00
休/日曜、祝日
駐/有(2台)

テイクアウトOK
※汁もの以外は可


最新の情報とは異なる場合がありますので、ご確認の上、お出かけ下さい。

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