SPECIAL 特集

思いはひとつ 笹野一刀彫をなくしたくない

笹野一刀彫 おたか三兄弟

掲載号:ZERO★23 2021年1月27日号

双子である佐藤和寛さん(右)と佐藤和憲さん(左)、幼馴染で同級生の小山泰弘さん(中央)によるユニット。工人8年目となり、活躍が期待されている。「おたか三兄弟」と命名したのは師匠・髙橋清雄さん。

一刀彫を継ぐ職人がいないことを知り、
「あって当たり前と思えたものがなくなってしまう、なんとかしたい」と一念発起。

米沢市笹野地区で受け継がれる笹野一刀彫(ささのいっとうぼり)。サルキリという独自の刃物、一刀で彫り上げる伝統工芸品です。鋭い眼光に重厚な佇まい、くるりと巻いた美しい羽の「おたかぽっぽ」。商売繁盛・立身出世胃の守り神とされ、「ぽっぽ」はアイヌ語の玩具の意味です。1200年前、坂上田村麻呂が戦勝祈願に、一刀彫の起源といわれる削り花を奉納したと伝えられています。その後、上杉藩九代目藩主・上杉鷹山が農民の冬の副業として奨励し、技術が磨かれてきました。
 3人は米沢に生まれ育ち、保育園、小学校、中学校が同じ。成人して、それぞれ別の道に進みますが、「一刀彫を継ぐ職人がいない」と知り、「あって当たり前と思えたものがなくなってしまう、なんとかしたい」と一念発起。3人で相談して一緒に弟子入りを志願したのです。半年後、当時の組合長・高橋清雄さんの理解を得て、ようやく教えてもらえることに。

おたか三兄弟の作品。コウテイペンギン、パンダ、シロクマ、丑、ふくろう、鷹、にわとり、恵比寿大黒、笠かぶり。

 材料となる野生のコシアブラで、おたかぽっぽを始まりに、さまざまな伝統の彫りの形を学びました。2年後、3人は笹野一刀彫の組合員として認められます。今までつくられていなかったコウテイペンギンやパンダ、シロクマなどを彫ったり、カラフルな絵付けの作品を発表。SNSでの発信を始め、「一刀彫におもしろい3人組がいる」と、おたか三兄弟の存在が注目されるようになりました。

笹野一刀彫の一番の魅力は、つくる工程をそばで見る実演

実演中の佐藤和寛さん。高い技術と素朴な佇まい。笹野一刀彫の実演はいつも大人気。

 和寛さんは「笹野一刀彫の一番の魅力は、つくる工程をそばで見る実演」と教えてくれました。使われる刃物・サルキリは刃が2辺あり、つくる部分によって使い分けます。自分の体の方へグッと刃先を向けることになるため、ひざや指をケガすることも多く、その恐怖心を克服して作品づくりを続けているそうです。

「ひとつの刃物の先から鷹が出たり、花ができたり、四本足の動物も。実演を見てもらえると、買ってくださる方も増えるんです」。昨年はさまざまなイベントがなくなり、笹野一刀彫の実演も減りました。「海外で実演するはずだったのに残念。コロナ禍が収まったらぜひ行きたい」と小山さん。豪快なサルキリの扱い、繊細な彫り方、すべてが笹野一刀彫だけの技術。それを次の世代につなげるための3人の挑戦が続きます。

笹野民芸館
住/米沢市笹野本町5208-2
電/0238-38-4288
営/10:00〜16:00
休/火曜
駐/有

最新の情報とは異なる場合がありますので、ご確認の上、お出かけ下さい。

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