SPECIAL 特集

大人にも子どもにも絵本のような世界を届けたい

現代張子 夢野大福さん

掲載号:ZERO★23 2021年1月27日号

結婚を機に山形市へ。こけし工人である梅木直美さんのアクセサリーをプロデュースし、自身で販売用ケースを張子で制作。それがショップオーナーの目にとまり、張子作家に。栃木県出身。

夢野だいふくさんの張子はとにかく個性的。
作品が店頭に並ぶと、すぐに売り切れるという状況が続いています。

 顔があるさくらんぼやラ・フランス、上山のカセ鳥、パステルカラーの妖怪・あまびえなど、夢野だいふくさんの張子はとにかく個性的です。ちょっと不思議な世界観は多くの方に支持され、作品が店頭に並ぶと、すぐに売り切れるという状況が続いています。創作活動4年目にして多忙を極めていますが、彼女の張子づくりは独学だというから驚きます。きっかけは山形市のこけし工人・梅津直美さんとの出会い。こけしや工芸作品が好きだった夢野さんは、梅木さんのこけしアクセサリーを制作したのです。それに似合う販売用のケースが見つからず、自身で張子のケースをつくったところ、東京のSHOPオーナーの目にとまり、張子作家としての活動がスタートしました。

「頭の中にたくさんできる物語。それを形にしています」。これはいちごに乗ったお雛様。3つのいちごは三人官女役です(企画展用作品)。

お雛様たちのデート。三人官女といっしょに熊に乗って出発。森の中では木々が光っています(企画展用作品)。

作品のモチーフに山や果物、妖怪、空想上の動物などを選ぶことが多いのは、結婚してやってきた山形の自然や伝統行事に強く魅かれるから。

「伝統工芸の職人さんたちは全力で最高のものをつくっています。私は師匠や流派に属していませんから、自由につくることがでます」と話す夢野さん。シンデレラのようなサクセスストーリーですが、人知れぬ苦難や葛藤もありました。「今まで自分の好きなものを選び、好きなものをつくってきましたが、『変わってる』と言われることが多かったのです。それを気にはしませんが、張子をつくりだしたら『かわいい』と言われ、実は戸惑いました」。さらに、「欲しいと言ってくれる方、全員に商品を届けたいと制作してきましたが、身体を壊してしまって。睡眠をとり体調管理をしないと作品はつくれないと、身を持って知りました」と振り返ります。

「好き」が先になってできた、さまざまな作品たち。

 夢野さんが四角い箱のようなシンプルな形に絵付けすると、人によって猫に見えたり、犬に見えたりすると悩んだこともありました。「キレイに描ける人はたくさんいるけれど、あなたのように描ける人はいない。あなたはあなたのままに描きなさい」と知人に言われ、それが励みになっているそうです。現在は、これまでと違う取り組みを始めました。長門屋(山形市十日町)とコラボした漆塗の張子を制作したり、「より多くの方に見てもらう」ための企画展の構想も練り始めています。

長門屋とのコラボ作品。

旬の作家が何を見せてくれるのか、楽しみに待ちたいものです。 

 

アート大福
販売場所についてはHPを
[Instagram]artdaifuku

最新の情報とは異なる場合がありますので、ご確認の上、お出かけ下さい。

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