地元民が選ぶ山形県ラーメン人気店【30選】ランキング付き
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©2021 香川まさひと・月島冬二・小学館/映画『前科者』製作委員会
罪を犯した者たちの更生・社会復帰を目指し、彼らと向き合う保護司の姿を描いた映画『前科者』。同名人気コミックをもとにメガホンをとったのは、地元・山形のお酒が大好きだと話す最上町出身の岸善幸監督。1月18日に県内の3映画館(フォーラム山形/東根、ムービーオンやまがた)で、先行上映会&舞台挨拶が行われました。
─ 映画の主人公は、罪を犯した人に寄り添う保護司です。どのように描きたいと思いましたか?
岸:保護司とは簡単に言うと、非常勤の国家公務員でボランティア。罪を犯した人が刑務所から仮釈放で出所しているときに保護観察し、更生のためにどういうプロセスを組むか話し合ったり、向き合ったりするのが仕事です。警察や裁判官、弁護士のように何かできるわけでもないという捉え方をしていたので、これで物語をつくれるのだろうかとも思いました。でも保護司が何もできないということは、僕らと同じような感覚で罪を犯した人に向き合うことができるということ。何もできないからこそ、新しい犯罪ドラマをつくれるんじゃないか。そういう考えが生まれてからは、ワクワクしながらつくりました。
─ 保護司役を演じたのは有村架純さん。これまでの彼女からは想像もできないような、喜怒哀楽の感情をあらわにする役どころでもありました。
岸:有村さんの印象は、美しくてキラキラ光っている人。本当にそういうオーラを持っている人で、最初の打ち合わせでニコッと「よろしくお願いします」と言われたときに、彼女に保護司役ができるのだろうかと思いました。でも現場に入ると、演技の爆発力がすごかった。僕が勝手に想像していた可憐で美しい有村架純さんは、彼女が演じていただけだったんだなと。
─ 映画出演が6年ぶりという、森田剛さんの抑えた演技も印象的でした。
岸:本当に存在感を消していますよね。あるお店で撮影をし、合間に森田さんと休憩をとっていたのですが、周りの人は誰も森田剛ということに気づかず通り過ぎていく。彼が役のオーラをまとっているので、本来のスターオーラを消しちゃっているんですよ。それぐらい役に没入してくれたんだと思います。
─ 脇を固める役者さんたちも素晴らしい方ばかりです。
岸:僕は普段、現場で役者のみなさんが演技しているときに映像を後ろのモニターで観ているのですが、悲しい場面でもだいたいニヤついているんです(笑)。それはこういう表情を撮りたかったんだという、うれしさから。今回は役者のみなさんが僕のイメージを全部超えてきて、モニターの後ろで初めて涙を流しました。
─ 映画では食べ物のシーンも多く、有村架純さんがラーメンを食べるところも重要な場面のひとつでした。
岸:人間どんなに悲しくても腹は減るし、生き物として食べないと生きていけない。だから食べ物のシーンは自分の中で大きなモチーフです。ラーメンを食べるシーンでは申し訳ないのですが、4テイクくらいしていますよ。撮り終えたときに「素晴らしいです」と有村さんに言ったんですけど、「もう食べなくていいですね」って言われました(笑)。
─ 今回の作品は社会派ドラマであり、エンターテインメントとしても楽しんでもらおうというのが、そこかしこから伝わってきます。そのバランス、さじ加減は意識しましたか?
岸:罪を犯した人を取り上げる映画なので、重い場面、辛い場面がたくさん出てきます。でも、そういうテーマをエンターテインメントとして映像に込めたほうが、たくさんの人に見えてもらえるんじゃないかとプロデューサーからお言葉をいただき、ハードな部分をどうおもしろおかしく見せるかに時間をかけてつくりました。
─ 作品に込めた思いを教えてください。
岸:更生というのは、人が人を許すことだと思っています。人をバッシングしたり、叩いたりすることって簡単ですけど、その行為によって自分たちにとっても生きづらい世の中にしているんじゃないかなと。いろんな人たちがいろんな地域で、みんな一生懸命生きています。ついつい見過ごされがちな人たちがいて、そういう人たちにちょっとスポットを当てた映画にしました。日本のどこかにこういう人がいて、誰かが支えていたらこういう人は生まれなかったもしれない。そんな思いを込めたつもりです。映画を観て感じるところがあったなら、その余韻を少しの間でも味わっていただけたらと思います。
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絶賛上映中! 映画『前科者』 出演/有村架純、森田剛、磯村勇斗、若葉竜也、マキタスポーツ、ほか STORY:保護司を始めて3年となる阿川佳代(有村架純)は、さまざまな前科者のために日々奔走していた。そんな中、彼女が担当する物静かな工藤誠(森田剛)は更生を絵に描いたような人物で、佳代も誠が社会人として自立する日を楽しみにしていた。しかし、誠は忽然と姿を消し、再び警察に追われる身に。一方その頃、連続殺人事件が発生。捜査が進むにつれ、佳代の壮絶な過去や、若くして保護司という仕事を選んだ理由も次第に明らかになっていき―。 |
PROFILE
きし よしゆき。山形県出身。1987年、テレビマンユニオン参加。
「世界ウルルン滞在記」「情熱大陸」などをはじめ、多くのバラエティやドキュメンタリー番組を手がける。
40代後半からNHKを中心にドキュメンタリードラマやドラマを演出。
2016年劇場映画デビュー作『二重生活』を公開。ウラジオストク国際映画祭最優秀監督賞、ニューヨークアジア映画祭審査員特別賞を受賞。
2017年に第2作『あゝ、荒野』で国内主要映画祭の作品賞を受賞。
最新の情報とは異なる場合がありますので、ご確認の上、お出かけ下さい。
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