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東北芸術工科大学「環境と繊維展」に行ってきました!

東北芸術工科大学にて12/19〜12/23で開催された「環境と繊維展」にお邪魔しました。「地元山形の繊維産業を盛り上げたい」という想いを掲げ立ち上がった、学生たちの新たなる挑戦をお伝えします。

▲左から角田玲海さん(文化財保存修復学科3年)、後藤諒大さん (企画構想学科4年)、門野義之さん(プロダクト学科2年)

この展覧会は、企画構想から作品制作・展示まですべてを、東北芸術工科大学の学生さん11人で行なっています。今回は、この展覧会の企画を立案した後藤諒大さんと、作品制作に携わったメンバー2人からお話をお伺いしてきました!

後藤さんは、山形には素晴らしい繊維産業があるのに、なぜこんなにも認知度が低いのかということに課題を感じ、調べていくなかで、繊維産業が抱える新たな問題を発見しました。それが “繊維ロス”。国内だけでも年間約170万トンもの繊維が廃棄されているというのが現状でした。

そうした課題を少しでも知ってほしい、山形の繊維産業の素晴らしさをもっと身近に感じてほしい、そんな思いが、この展覧会を企画した始まりでした。

▲佐藤繊維から提供してもらった廃棄予定の布

この展覧会では、山形を誇るニットメーカー「佐藤繊維」の協力のもと、生産過程でどうしても発生してしまう廃棄予定の布を提供してもらったんだそう。その布を用い、学生それぞれが独自の発想で製作した作品を展示しています。

▲Plus 和
作:角田玲海さん(文化財保存修復学科3年)

授業で日本の文化財の保存や修復について学んでいる角田さんが制作したのは、和の雰囲気を感じる「掛け軸」と「花瓶」。「伝統的な和室の様式が消え、床の間がない家庭が増えてきていることに、どこか寂しさを感じていました。和モダンにアレンジした掛け軸と花瓶、そこに飾られた絵やお花を見て、思いやりとおもてなしの心を感じてほしいです」と角田さん。普段の生活に心休まる「和」の要素をそっとプラスしてくれる作品です。

 

 

▲Rinne
作:門野義之さん(プロダクト学科2年)

「リング」と「輪廻」を掛け合わせた意味を持つ、「Rinne」。「本来衣服になるはずだった生地を、リングに埋め込むことで、新たなファッションアイテムとして生まれ変わるという意味を込めました」という門野さん。リングにはローズウッドと呼ばれる、木材を使用し、ウール生地の温かみある風合いと調和した素敵な作品になっています。

 

 

お二人の作品のほかにも、数種類の布を組み合わせてつくられたランプシェードや時計など、個性溢れる作品が計8点が集まりました。

「この展覧会が終わった後にも、作品が生き続けられるよう、さまざまな場所で展覧会を開催したい」という後藤さん。カフェや飲食店、ギャラリーなど、作品をおいてくれる方を募集中とのこと。興味のある方は、ぜひこちらのページをご覧ください。

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