SPECIAL 特集

丈夫でしなやか ほっとできるサムライシルクのバッグ

山形のいいもの#1

掲載号:ヨミウリウェイ 2019年11月10日号

kibiso(キビソ)鶴岡シルク㈱

カイコを飼い、繊細な糸を練り合わせて織物にし、染色する。鶴岡市は日本で唯一、絹の一貫生産が残る地域です。きっかけは150年程前の戊辰戦争。戦に負け、賊軍といわれた庄内藩士3000人が月山山麓の原生林を開拓し、外貨獲得のためシルクの一大産地を目指したことに由来します。鶴岡は全国有数の絹産地に成長しました。

 しかし、昭和に入り、化学繊維や外国産のシルクに押されるように。絹生産と技術力に裏打ちされた鶴岡のシルクを残すべく、立ち上げられたのが「キビソプロジェクト」です。キビソとはカイコがまゆを作るとき、最初に吐き出す糸のこと。材質が太くごそごそしていることから、織物に使われることはありませんでした。様々な工夫を重ねて糸にし、デザイナーたちによる斬新なデザインを施したキビソはエコロジカルな商品として注目を集めています。気の張るような場所に行くときも、ナチュラルな風合いのこのバッグを手にしていれば落ち着くことができそう。ラストサムライたちの「あきらめない心」が私の背中を押してくれます。

kibiso製品のひとつ、シルクストール もちあみ 白/赤 網の上で丸餅を焼いているというデザイン。ケミカルカットのドット入り。kibisは鶴岡や庄内の自然や文化がモチーフになっている。 キビソの原糸。一つの繭から約1,200mの糸が取れ、そのうちの3%がキビソ。繭の中のサナギを守るため、紫外線吸収や抗酸化作用などの成分を含んでいる。
kibisoをプロデュースする鶴岡シルク代表取締役 大和匡輔さん。 明治5年に開墾が始まり、明治10年までに10棟が建設された蚕室。現存する5棟のうちの一つがkibiso ショップに。
kibiso ショップ

住/鶴岡市羽黒町松ヶ岡29 松ヶ岡開墾記念館 2番蚕室内
TEL.0235-29-1607(鶴岡シルク株式会社)
営/10:00~16:00 休/月曜(祝日の場合火曜)、12~3月は休業


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